技法 29 氷柱外 – 動抜(つららはずし – どうぬき)

氷柱外 – 動抜(つららはずし – どうぬき)

これは変形抜の一種で、暗殺に用いる技法です。
楷書(守)での抜刀
 
氷柱外(つららはずし)の動抜(どうぬき)を行っていきましょう。
この技は、主に暗殺の時に使われます。
点抜との違いは、右足を引く、という点です。
刀を抜いていくときに、同時に右足を引いていきます。
そして突き込み、血を拭い、下がります。
下がるときは、基本的に左足を後ろに下げて下がります。
残心の後、納刀を行います。
この技は屋外での使用を想定していますので、このように刀を抜き身にした状態で暗殺対象を待つことはできません。
納刀した状態から暗殺対象に近づき、呼び出した暗殺対象を素早く突き、何事もなかったかのように静かにその場を立ち去ります。
シチュエーション
では、実際の暗殺に用いるシチュエーションを見ていきましょう。
今回、暗殺対象になる人は井手先生です。
ターゲットである井手先生は屋内にいる想定です。
こちらが建物の壁です。刺客である私は、屋外にいます。
この技は、窓越や扉越、または障子越などで用いられる技法です。

其の壱 扉越

それでは、まず扉越を想定して行っていきましょう。
今回は、暗殺対象である井手先生が直接扉を開けてくれる場合を想定して行っていきます。
では、暗殺対象を呼び出します。
呼び出された暗殺対象が扉を開けます。
出来た扉の隙間を狙って、相手が身構える暇なく、素早く突き込みます。
突き込んだら素早く血を拭い、納刀して、その場を立ち去ります。

其の弐 窓越

次は、窓越をみていきましょう。
今回想定する窓は格子窓になります。格子状の窓は隙間がありますので、その隙間から暗殺対象を狙って突くことができます。
窓越に暗殺対象に声を掛けて呼び出します。
「井手先生、火急の用にて。」
「何用だ。」
暗殺対象が窓に来たら、素早く、格子状の間隙を縫って突き込みます。この時、格子の隙間を縫って突き込みますので、刃の向きは横ではなく縦にして、細く突き込みます。素早く突いたら血を拭い、納刀して、その場を立ち去ります。

其の参 障子越

続いては、障子越の場合を見ていきましょう。
縁側から障子越に暗殺対象を呼び出します。
「井手先生、お時間を頂戴したく。」
「何?」
暗殺対象が障子に近づいてきたら、その場で素早く突き込みます。
血を拭い、その場を立ち去ります。
草書(離)での抜刀

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