効果的に姿勢を矯正できる鍬海メソッドについて
礼法で正しく姿勢が取れるようになると、そこで学んだ身体操法は技法にも応用することが出来ます。
今回は鍬海先生が開発した正しい姿勢を取るための方法を解説します。
今回は鍬海メソッドとして、姿勢の作り方の訓練についての解説をいたします。
これは天心流本来の教えではありませんが、礼法を代表とされる姿勢、また様々な技法における姿勢に非常に重要な役割を果たす、「背中」の筋を通す、まっすぐな背中を作ることが出来るトレーニングとなります。
非常に辛い姿勢を作るものですが、是非トライしてみてください。
では実演していきます。
実演
両手を鳩尾のあたりに付けて、まず出来る限り背中を上に伸ばすようにします。
そして背筋を限界まで伸ばしたのちに、ゆっくりと前傾していきます。
この際、背筋は伸ばし続ける意識を保ちながら、前に倒していってください。
伸ばす、伸ばす、ずっと伸ばす意識が必要です。
やや顎が上がってもかまいません。
実際真っすぐな姿勢を作るというよりは、若干反っているような意識でやっていくと良いでしょう。
かなりきつい姿勢となります。
前傾の限界が来た時点で、両方の手を床につけて、身体を支えます。
そしてさらに背中を伸ばしながら前傾を進めていきます。
このままさらに背中を伸ばす意識でキープします。
そしてまた、より背中を伸ばしながら、ゆっくりと身体を戻していきます。
呼吸を詰めないように、自然の呼吸のまま、戻していきます。
ここまでが一連の流れです。
まず姿勢を作り、さらに背中を伸ばしながら前傾していきます。
この段階で背中に違和感、張りを覚えない場合は、上手に背中を伸ばすことが出来ていません。
どんなに背中が強かったり、柔軟性があったとしても、すでに限界まで背中を上に伸ばしているので、屈体することで大殿筋側が無理やり伸ばされている状態になるので、限界以上に背中が伸びていることになります。
かなり呼吸が苦しくなりますが、力を入れないように注意してください。
立って行う場合
扇坐から行う以外にも、立合から行うこともできます。
姿勢は同じようにして、背筋をさらに上に伸ばすようにしながら、そのままゆっくりと前傾していきます。
もしこのままの状態できつい場合には、手を膝につけてもかまいません。
顎を挙げて、出来る限り背筋を伸ばすようにして、落としていき、姿勢をキープします。
さらに伸ばすようにしながら、元に戻ります。
九礼に極意あり
天心流に伝わる柳生宗矩(やぎゅうむねのり)公の言葉に、九礼に極意あり、というものがあります。
礼法というのは、そのまま極意に直結するものだ、というものです。
この言葉の詳細な意味が伝わっているわけではないのですが、まさしく礼法の中で用いる姿勢は様々な技法の中でも共通して用いるものです。
そしてその操法は非常に難しいものなのですが、このメソッドは背筋を作るという上で効果的なものなので、是非皆さんには定期的に行ってほしいと思います。
今私は四回ほどやっただけなのですが、かなり背中で筋肉痛が始まっているほどに効果的であり、非常に辛いメソッドです。
日に数回やれば十分ですが、最初のうちは二日に一回、出来るなら毎日やっていただければと思います。その後は折に触れて週に一回、月に一回行っていただければ、強靭な背筋、正しい背筋を身に着けることができ、正しい姿勢につながりますので、是非稽古を行ってください。
注)鍬海メソッドでの背中の働きは実際の礼法そのものとは少し異なります。

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