足の形について
天心流で用いる代表的な足の形を紹介します。
足の形と名称を知ることで、稽古の時に意識的に足の働きに注目できるようになり、正しい下腿(かたい)を身に付けることに繋がります。
今回は、天心流で用いる足の形について説明致します。
地蔵立(じぞうだち)
最初は、地蔵立です。これは皆さんが練習している地蔵抜で使っており、足の内側をピタリとつけ、足の踵もつけている立ち方です。
これを地蔵立と呼びます。
結立(むすびだち)・踵立(くすびだち)・屏風立(びょうぶだち)
続いて、結立です。別名を踵立、ないしは屏風立と呼びます。
踵を付けて、爪先が開いた状態です。
多くの技法では、最初にこの立ち方から始まり、この立ち方で終わるというようになっています。
閉足立(へいそくだち)
続いて、閉足立です。平行に揃えた足をやや開いた状態です。
足の幅は肩幅になります。肩幅といっても、肩の外側の幅ではなく、肩の内側の幅と考えた方が良いでしょう。
自然な立ち方として、頻繁に用いられる立ち方です。
馬上立(ばじょうだち)
続いて、馬上立です。横を向き、後足の膝を床につけたとき、前足の踵と後足の膝の間が完全に拳1個分になるほどの足の幅になります。足の長さによっては多少異なり、足が非常に長い人は足の幅が広くなったりします。
この時、馬上立のイメージで、どうしてもつま先が開いてしまう人が
多いですが、実際はつま先はほとんど正面を向いています。つま先は開かずに前を向き、ほんの少し開く程度にします。
これが馬上立です。馬の上に乗っているときの姿勢、足幅であるということから、馬上立と呼びます。
鉤足(かぎあし)
続いて、足を前後した場合の足の形です。
これを鉤足と呼びます。昔の日本の囲炉裏という場所で使っていた「自在鉤」という物の角度に右足の角度が似ているからです。
反対の場合も同じです。かなり鋭角に、足が斜め前を向いている状態になります。
丁字足(ちょうじあし)
続いて、これが丁字足と呼びます。丁字というのは、漢字の「丁」という字、すなわち、90度の角度のことを言います。足の爪先が真横を向きます。
根の足(ねのあし)
最後に、根の足です。これは、両足のつま先の角度が鈍角になります。後ろ足のつま先が後方を向くほどに開いています。
大木が大地に根を張るような立ち方であることから、根の足と呼びます。
実際には、確実にこの角度である、ということはありません。例えば、鉤足のような、丁字足のような、中途半端な足の向きになることもありますし、丁字足なのか、根の足なのか判別し難い足の角度になることもあります。
しかしこのような用語があると、指導の時に非常に利便性が高いため、皆さんにはこの各名称と形について覚えて頂ければと思います。
以上が足の形についての解説となります。

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