妙手
これは自在の手の内を会得するための初学の稽古法です。
切り下ろしの妙手(みょうて)
天心流の稽古法の一つである妙手について説明します。まずはご覧ください。
横からもご覧ください。
この動きは単純に刀を真向(まっこう)に切り下ろした後に、手を返して刃を真上に向け、切り上げる、という動作をしているわけではありません。
真向に切り下ろしながら、手の内を用いて、刃を時計回りに180度回転させて上を向くようにし、そして切り上げます。
このような形になります。
横からご覧ください。
真向に切り下ろしながら、手の内を用いて、刀を時計回りに180度回転させて、切り上げます。
まず皆さんは右手でこの動作を稽古して下さい。
右手が出来るようになりましたら、左手でも同じようにできるように稽古して下さい。
左手でこの妙手の動作を行う際は、真向に切り下ろしながら、手の内を用いて、刃を反時計回りに180度回転させて真上を向くようにし、そして切り上げます。
横からご覧ください。
この動作は手の内を鍛える上でとても重要です。
皆さんには毎日この動作を稽古して頂きたいと思います。
詳細な手の内の解説
手の内の詳細な動きについて説明します。特に切り下ろしの妙手が難しいので、よく動きを見てください。
刀を動かさずに稽古する際は、刀の重みがあるためなかなか回転しにくいです。そのため、薬指、中指、人差し指の順番で柄を握ることで刀を回転させます。
もう一度行います。
このように段階的に柄を握っていくことで刀を回転させます。
実際の動きでは、柄を握るというよりも柄を滑らせていく、という表現が正しいです。
最初は特に軽めの刀、脇差などを用いて行うとやりやすいと思います。実際は一瞬で行うので手の内で滑らせる、という形になります。
薬指、中指、人差し指と一指ずつ動かしていき、刀を回転させます。
水平での妙手
次に、水平の動きでの妙手について説明いたします。
手の内で刀を回転させる動作は先ほどの縦の動きと同じです。
左から右へ水平に刀で切っていく途中で、手の内にて刀を返し(180度回転させ)、そして右から左へ水平に切り返します。
このような動きです。
角度を変えて、行います。
このような動きです。
左手でも同様の動きが出来るように稽古しなければいけません。
奇麗に刃を返せるように稽古をして下さい。
これが水平での妙手の説明になります。
直角に返す妙手
続いて、真向に切り下ろし、そして水平に切り払う動きの中で行う妙手について説明いたします。まずはご覧ください。
横からご覧ください。
真向に切り下ろし、その途中で刀を手の内で時計回りに90度回転させ、そして水平に切り払います。このような動きを行っています。
右手だけでなく、左手でも同じ動作が出来るように稽古してください。
これが真向に切り下ろし、そして水平に切り払う動きの中で行う妙手の説明になります。
切り上げからの妙手
*TL NOTE:天井が低く、刀が当たりそうだったのでビデオでは坐って行っていますが、通常は立って行って構いません。
次は、まず真上まで切り上げていき、そして真向に切り下げていく動きの中で行う妙手について説明いたします。
地天返(ちてんがえし)などの技でこの動きが用いられます。
まずはご覧ください。
真上まで切り上げた後、真向に切り下げていきますが、初学の人は刀の切っ先が左に大きく回るように刀を返してから、切り下げてしまいます。
そのようにするのではなく、切り上げた時に描かれる直線上に刀があるようにしながら妙手を用いて刀を返し、切り下げていきます。
真上に切り上げて、真向に切り下げる動きがとても細くなるようにして下さい。
左からご覧ください
まず真上に切り上げていき、妙手を用いて刀を返し、切り下げていきます。
右からご覧ください。
最初のうちは、刀の切っ先がどのように動いているかを目で追い、また切り上げた時に描かれる直線上に刀があること確認しながら、切り下げていくと良いでしょう。
ゆっくりで良いので、丁寧に行い、細い線上で切り上げと切り下げが出来ているかどうかを確認しながら行って下さい。
以上が妙手の稽古法の解説になります。

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