坐法における間合について
間合いについて解説いたします。
自分と、対者(向かい合っている者)との距離のことを「間合い(まあい)」と呼びます。
す。
日本で段階を示す言葉として使われている信(真、しん)、行(ぎょう)、草(そう)を、天心流では間合いにも用いています。
自分と対者との距離が離れていれば離れているほど、相手との関係性が遠い、あるいは相手と身分の差があることを示しています。
また、自分と対者との距離が近ければ近いほど、より親密な関係であることを示しています。
今ご覧いただいている自分と対者との間合いを「草の間(くさのま)」あるいは「草の間(そうのま)」と呼びます。自分と対者との距離は六尺以上、すなわち180cm以上です。180cmより間合いが遠ければすべて「草の間(くさのま)」あるいは「草の間(そうのま)」になります。
次に「行の間(ぎょうのま)」の解説をいたします。
自分と対者との距離は五尺半程度、およそ165cmです。この行の間は、普段侍が用いる間合いになります。
続いて「信の間(しんのま)」の解説をいたします。
自分と対者との距離は2つあります。一つは四尺程度、およそ120cmです。
現在ご覧いただいている距離になります。
もう一つは三尺程度、およそ90cmです。この距離です。
信の間は先ほど説明いたしました行の間、草の間とは違う点があります。
このように刀の柄を前に出して置くと、柄頭が相手の間合いを侵してしまいます。そのため、信の間の場合、刀は柄頭と膝頭を一直線状に結んだところに置きます。
これまでに信、行、草の間合いについて説明しましたが、もう一つ、漢字が違う「心の間(しんのま)」あるいは「心の間(こころのま)」と呼ばれる間合いがあります。
これは自分と対者との関係性が非常に密接で、漢字の通り「心から」親密である関係のときに用いられます。厳密な距離はありませんが、箱お膳一つ分の距離を置くとしております。
坐法における間合いについて説明致しましたが、立ち合いにおいてももちろん間合いの概念があります。
特に天心流の技法は間合いを含めて技が成立しますので、皆様が技を稽古する際には、間合いはどうなっているのか、この技はどの間合いから行うのかを常に気を付けて稽古してください。

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