地蔵抜ブラッシュアップ その壱

地蔵抜ブラッシュアップ その壱

地蔵抜のブラッシュアップです。
実戦向きの技法ではありませんが、対面の抜刀におけるエッセンスを学ぶ上で重要な技法です。
こんにちは。今回は地蔵抜のブラッシュアップをしていきます。それでは、解説を始めます。
まず地蔵抜のおさらいをします。
両足を揃えた地蔵立の状態から、合掌をします。
そして手を下に下ろしていき、刀を抜き、両方の腕を切るように切り払い、青眼の位になります。
頭の中で九字を唱え、血振いを行います。
血振いを行った後、納刀していきます。
合掌の位置について
では、地蔵抜の注意点を見ていきましょう。まず合掌する際の手の位置です。
手の位置は、この位置に来るようにします。胸から遠すぎず、胸に着かず、前腕が垂直からやや前に倒した程度の位置になるようにして下さい。
手の高さは、低すぎず、高すぎず、手の中指が顎を超えるくらいの高さに来るようにして下さい。
手の形は四指を揃え、親指は人差し指に着かないようにして下さい。
また全ての動作を行っている際、力を抜くようにして下さい。
合掌柄下(がっしょうつかくだし)のブラッシュアップ
合掌の後、手を下に下ろしていき、刀の柄に手を掛けます。
この動作のことを合掌柄下(がっしょうつかくだし)と呼びます。
合掌から刀の柄に手を掛ける際、脇差の柄が邪魔だと言う人がいますので、これからどのように直せばよいのかをお伝えしたいと思います。
脇差の帯刀時の注意
まず、脇差の差す位置から確認していきましょう。初心者の場合、脇差を差すとき、上から差すことが多いです。そうしてしまいますと、柄頭が高くなってしまうので、刀を抜く際にこのように脇差の柄が邪魔になってしまうことが多いです。
そのため、脇差を差す際はこのように、ほぼ横から腰に差すようにして下さい。
またこの時、柄頭を下にグッと下げるようにし、鐺を上に上げるようにして脇差を差します。そのようにすると、脇差の柄頭が高くなることもないので、大刀がとても抜きやすい脇差の位置になります。
合掌柄下における身体操作
次に、刀の柄に手を掛ける際の注意点をみていきましょう。
説明をする際には、わかりやすくするために手だけ動かして、刀の柄に手を掛ける動作を見せておりました。
しかし実際は、合掌した後、刀の柄に手を掛けるまでに、膝を緩め、お尻を後ろにやや突き出すようにし、身体を前傾しています。その動作をしながら刀の柄に手を掛けることで、脇差の柄が邪魔になることは起きにくくなると思います。この点に注意して下さい。
対面での抜刀について
続いて、抜刀する際の注意点を見ていきましょう。
刀の柄に手を掛ける際も同じですが、半身にならないように気を付けて下さい。ほぼ対面、やや左の胸を引く程度にして、刀の柄に手を掛けます。
抜刀する際も同じです。切り切った後も、身体はほぼ対面のままです。先ほどの刀の柄に手を掛けるときと同じように、やや左胸を引く程度でとどめるように気をつけて下さい。
横からの比較
次は、身体の動きに着目しながら横からご覧ください。
まずは対面抜です。
続いて、半身での抜刀です。
このように、対面での抜きと、対面での抜きは身体の動きが全く違います。地蔵抜だけでなく、他の技を稽古する中でも、解説ビデオで対面抜か、あるいは半身抜かを解説しておりますので、それを確認しながら、稽古するようにして下さい。

 

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