半身・対面

半身・対面

今回は半身(はんみ)についての説明を致します。
半身とは何ぞや?
半身は別名として槍者立(そうしゃだち)と呼びます。
相手に対して身体を横に向けることを指します。
 
半身に対して、対面(たいめん)という言葉があります。これは別名として刀者立(とうしゃだち)と呼びます。概ね胸を正面に向けた状態で、相手に対することを指します。
実際は半身を取ることもありますが、特に刀を持つときは、標準として胸を正面にして構えることが多いことから、「刀」を持つ「者」の「立ち方」という意味で刀者立と呼びます。
刀者立に対して、槍を持つような場合は、このように身体を横にして半身をとることが多いことから、「槍」を持つ「者」の「立ち方」として槍者立と呼び、半身と同じ意味合いで用いられます。
半身は槍者立、対面は刀者立です。半身は身体を横に向ける、対面は身体を正面に向けるという意味合いです。
では半身と対面の際の身体はどれくらいの角度なのか、といいますと、この図のようになります。
正面を上とし、0度とします。それに対して、自分の後方、135度までは対面となります。
正面を向いてやってみますと、この身体の角度までは概ね対面である、と言うことができます。身体の左右を入れ替えても同じです。
例えば、腋毛払(わきげばらい)や嚔抜(くさめぬき)という技法では、身体がやや半身気味にはなるものの、身体が135度よりも後ろにいくことがないので、概ね対面である、と言うことができます。
それに対して、卍抜(まんじぬき)や天心流で多く使われる他の技法は半身をとります。抜刀、納刀、青眼のときも半身を取るように努力しなければなりません。
ご覧いただいている通り、身体は135度かそれ以上の角度を取っています。ここから血振るいするときも半身を取っていますし、納刀するときも半身を取っています。
半身はかなりきつい、厳しい姿勢になります。
袈裟掛(けさがけ)に切るときも半身を取っており、だからこそ遠くを切ることができます。
この半身は天心流の大きな特徴の一つであり、また難しさでもあります。
そのため、半身を取れ、と指示された場合は、かなり相手に対して身体を横にした姿勢になれ、という意味です。それを意識して稽古して頂ければ、半身か、対面か、という混乱がなくなると思いますので、よろしくお願いいたします。
以上が半身と対面の説明でした。

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